血尿の話
一口に血尿と言っても症状の有無や目での見え方でいろいろ分類されます。排尿時の痛みや腰痛があれば、皆さん心配されて受診される場合が多いでしょう。でも、検診で潜血が陽性ですよと言われても症状がないから、様子を見ようかなと考えている方も多いのではないでしょうか。また、突然、真っ赤な尿やコーヒー色の尿がでて、びっくりされる方もあるとおもいます。
ここでは血尿の分類と血尿をきたす代表的な疾患をしめします。
血尿の分類
- 目で見てわかる血尿(肉眼的血尿)
- 検査でわかる血尿(顕微鏡的血尿)
- 症状を伴わない血尿(無症候性血尿)
- 症状を伴う血尿
血尿をきたす代表的な疾患
- 膀胱炎
- 排尿時痛、頻尿(すぐにまたトイレに行きたくなる)、尿の混濁が主な症状です。時々、真っ赤な血尿がでることがあります(出血性膀胱炎)。抗生物質の服用で治療します。
- 結石症
- 肉眼的血尿を伴わないこともありますが、たいていは腰痛や下腹部痛があります。痛みが強いときは疝痛発作といい、七転八倒することもあります。
- 前立腺肥大症
- 排尿困難、頻尿、残尿感などの症状に時々、血尿をともなうことがあります。
- 遊走腎(腎下垂)
- 腎臓が下垂することで腰痛などの症状とともに血尿が出現します。激しい運動後にみられることがあります。
- 腎腫瘍、膀胱腫瘍
- 特に何の症状もなく血尿(顕微鏡的~肉眼的)がでます。痛くも何にも無いからといって放置すると大変なことになります。
- その他
- 腎外傷や糸球体腎炎などの内科的疾患。
血尿は腎臓から尿の流れる道のどこかでの異常を知らせてくれるまさに、赤信号です。症状がなくても尿の異常に気がついたら早めに受診しましょう。